日本で見られる主な桜を紹介します
日本で愛されている桜には、野生種・園芸種を合わせ300種以上が存在するといわれています。
いずれもそれぞれに趣があり、美しいものばかりです。
その中でも特によく見られる代表的な品種から、普段あまり目にすることのない品種まで、3つの品種についてご紹介します。
ソメイヨシノ
園芸品種の中でも最も多く栽培され、全国各地に広がっているのがこのソメイヨシノです。
ソメイヨシノの起源をめぐってたびたび論争が起こってきましたが、現在の学会では日本で生まれた日本固有の品種であるということが証明されています。
私たちが「桜」と聞いて思い浮かべる姿は、主にこのソメイヨシノからきているもの。
枝先に薄桃色の花が密集した様子は、日本人の心の原風景ともいえるでしょう。
他の多くの品種は観賞できるほどの花をつけるまでに10年程度かかるところ、ソメイヨシノはおよそ5年で花を咲かせます。
ソメイヨシノが全国に広がり各地に桜の名所を生んだのには、この成長の早さも一役買っているようです。
ヤマザクラ
日本に10種自生している野生種のうちの1種。
ソメイヨシノが登場するまでは、日本の桜といえばこのヤマザクラを指していました。
和歌などに詠まれたことで有名な「吉野の桜」もヤマザクラです。
現在ではソメイヨシノが全国的に主流ですが、京都府内に限ればヤマザクラが最も多く見られます。
ソメイヨシノとの大きな違いは、花が咲くと同時に葉も開くこと。
開花時期には花だけが見られまさに「花見」といった風情のあるソメイヨシノと、葉の間に見え隠れする控えめな花を眺めるヤマザクラとでは、花を見る人の心持ちも変わってきそうです。
ミヤマザクラ
最後に紹介するのはミヤマザクラです。
野生種のひとつであるミヤマザクラは、名前の通り高山地帯によく分布しています。
日本国外では朝鮮半島や中国東北部、サハリンなどにも自生しており、暖かい気候よりは寒冷な地域を好むようです。
花は純白で、花弁の先端には切れ込みが入らず丸い形をしています。
ヤマザクラと同じように花と葉が同時に展開するため、一般的に観賞される桜とは開花時期の印象が異なります。
普段の生活圏内ではなかなかお目にかかることができない品種ではありますが、登山やハイキングなどの際、見かけることがあるかもしれませんね。